こんにちは
今年のノーベル文学賞が発表になりました!
今年こそは村上春樹さんの受賞をと心待ちにしていた方も多いと思いますが、
なんと今年は日本人の方受賞されました。
カズオ・イシグロ氏。なんと日系イギリス人の方なんです。
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カズオ・イシグロ氏のプロフィールは?
カズオ・イシグロ氏(石黒 一雄)はすにでイギリスに帰化されているので正式には日本人ではありません。
ご両親はともに日本人。
ご本人も長崎生まれです。
カズオ・イシグロ氏は1954年11月8日生まれの62歳。
1989年に長編小説『日の名残り』でイギリス最高の文学賞ブッカー賞を受賞されています
日本で昨年綾瀬はるかさん主演でテレビドラマ化された
「わたしを離さないで」もカズオ・イシグロ氏の作品です。
あの作品は不思議な内容のドラマでした。
あれがまさかカズオ・イシグロ氏の作品だったとは驚きです。
カズオ・イシグロ氏の経歴は?
カズオ・イシグロ氏は長崎県長崎市にうまれ、
1960年カズオ・イシグロ氏が5歳の時に海洋学者の父がイギリスの研究所に赴任することになり一家はイギリス南部のサリー州ギルフォートに移住しました。
ご両親とも日本人だったのですがイシグロ氏はイギリスの典型的な中流家庭の子供として育ちました。
大学は1978年にケント大学英文学科、1980年にはイースト・アングリア大学大学院創作学科を卒業します。
カズオ・イシグロ氏は一時期はミュージシャンを目指したこともあるようです。
1982年に28歳でイギリスに帰化します。
これまでの主な作品は?
1982年、英国に在住する長崎女性の回想を描いた処女作『女たちの遠い夏』
1986年、戦前の思想を持ち続けた日本人を描いた第2作『浮世の画家』
1989年、英国貴族邸の執事を描いた第3作『日の名残り』

1995年、第4作『充たされざる者』
2000年、戦前の上海租界を描いた第5作『わたしたちが孤児だったころ』

2005年、『わたしを離さないで』
この作品は2010年に映画化もされました。
【ストーリー】
ある施設で世間から隔離されて育った主人公たちはある日その施設の責任者から自分たちがクローン人間であり、「特別な使命をもった子供なんだ」と聞かされます。
その「特別な使命」というのが臓器提供者になること、だったんです。成長した主人公たちは提供者となり3~4回にわたり手術を受け、臓器を提供し、その使命を終える(死亡する)という運命なんです。
提供者となったものは介護者の世話を受けながら生活します。そしていづれその介護者が提供者となって、臓器提供を側になり使命を全うするという内容。
ドラマも見てましたか、ちょっと特殊な世界観を理解するのが大変でした。
綾瀬はるかさんももともと明るいキャラクターが多いのに、このドラマでは終始シリアスな演技に徹していました。
このドラマは2016年に放送されていましたが、
今回カズオ・イシグロ氏のノーベル賞受賞で再放送を希望する声も多くなっています。

2015年、『忘れられた巨人』

受賞歴
1995年に大英帝国勲章(オフィサー)
1998年にフランス芸術文化勲章を受章
この勲章の受賞はとても名誉ある勲章だそう。
更に2008年には『タイムズ』紙に
「1945年以降の英文学で最も重要な50人の作家」
の一人に選ばれるくらい注目される作家さんとなりました
そして
2017年ノーベル文学賞受賞
スウェーデン・アカデミー(ノーベル文学賞の選考を行うスウェーデンの学士院)はイシグロ氏を「大きな力強さを持つ小説を通して、世界と結びついているという幻想的感覚の下の深淵を暴いた」作家と評価。アカデミーのサラ・デニウス事務局は、イシグロ氏の作風を、「ジェーン・オースティンとフランツ・カフカ、を混ぜ合わせ、これにマルセル・プルーストを少々入れた」と表現している。
http://toyokeizai.net/articles/-/192023?page=3より
う~ん。カフカしかわかりませんが、とにかくいろいろな文豪たちの要素を兼ね備えている作家と言えるのでしょうか。
結婚と妻ローナ・アン・マクドゥーガルさんについて
1986年にカズオ・イシグロ氏はイギリス人ローナ・アン・マクドゥーガルさんと結婚しています。
妻のローナ・アン・マクドゥーガルさんはソーシャルワーカーとして福祉関係の仕事についていました。
カズオ・イシグロ氏との出会いは二人は西ロンドンのノットンヒルでの
ホームレスチャリティーでした。
自身もソーシャルワーカーとして働いていたカズオ・イシグロ氏はホームレスの人が家を見つけるためのボランティア活動をされていました。
作家さんというとあまり外で活動されるという印象はないし自らチャリティーに出向くとうこともないような気がしていました。
お金だけは出してくれるけどあまり自らはで向かいないみたいな。
でもそれは日本的な考え方でイギリスにはボランティアやチャリティーへの参加は自然で当然のことなのかもしれません。
それに今よりももっとお若いころだから作家としての知名度もなく、
まだ一般の若者だったかもしれません。
妻であるローラさんはカズオ・イシグロ氏の良きアドバイザーでもあり、2015年に出版された「忘れられた巨人」執筆中イシグロ氏がローラさんの意見を聞いたところ、
なんとローナ・アン・マクドゥーガルさんは「これはひどずぎる、はじめから書き直すべき」と意見されたそうです。
どひゃー。世界的文豪の作品に対してダメ出しとは、、さすがは妻です。
これは妻であるローラさんにしかできないことですよね。
子供は?
お子さんについては
娘さんの情報があります。
お名前はナオミ・イシグロさんだそうです。
とても日本的な名前ですね。
ナオミ・イシグロさんは現在ご家族とロンドンに在住だそうです。
すでにもうご結婚されているかもしれませんね。
ナオミさんというと日本的な名前だと思いましたが、西洋にもナオミという名前はあるそうです。
知りませんでした。
日本への思いは?
カズオ・イシグロ氏はほとんそ日本に住んでいなかったこともあり日本語もあまり話せないそうです。
まあしょうがないですよね。
カズオ・イシグロ氏が日本を意識した作品は最初の2作品だそうです。
まあ日本の文化はイギリスとはまったく違いますからね。
しょうがないことですね。
カズオ・イシグロ氏は自分の出自(日本人であること)と自分の作品を結び付けられることを嫌っていたそうです。
ですが、専門家はこのイシグロ氏の背景があったからこそ、世界中の幅広い読者に向けた作品を書くことができたのではないかと指摘しています。
確かに、帰化したということは自分はもうイギリス人になったのに、なんでいつまでも日本が出てくるの?
と考える時期もあったかもしれませんが、これらの生い立ちのすべてがきっと作品に反映されているんだと思います。
影響を受けた日本人は?
カズオ・イシグロ氏は谷崎潤一郎など多少の影響を与えた日本人作家はいるもののむしろカズオ・イシグロ氏は
小津安二郎や成瀬巳喜男などの日本映画により強く影響されているそうです。
確かに映像だと日本の様子が特にわかりやすいです。
小津安二郎監督作品は古き良き昭和の時代の作品が多いのでカズオ・イシグロ氏にも遠い祖国を思い起させたかもしれませんね。
終わりに
2017年のノーベル賞ですが残念ながら村上春樹氏は今年もノーベル文学賞を逃してしまいました。
村上春樹氏の実績はもちろん高く評価されているとは思いますが、あまりに前評判が良すぎるというのも問題なのかも知れません。
ですが今年は日経イギリス人のカズオ・イシグロ氏が受賞し、日本人としても誇らしい限りです。
日本人のノーベル文学賞はこれまで1968年に川端康成氏、また1994年に大江健三郎氏が受賞されています。
日本人にゆかりのある人物がこれで3人目の受賞。
今年のノーベル文学賞受賞については各分野それぞれの専門家や一般の方々からいろいろな人物の名前が挙がっていました。
残念ながらカズオ・イシグロ氏の名前は今年の受賞予想には入っていませんでした。
もしカズオ・イシグロ氏を受賞すると考えていた方がいたらすみません!
ですがだいたいこの手の受賞予想って当たらないものです。
選ぶ方もわざとそう言う予想に出てこない人物を選んでいるんではないかと思うくらいですね。
それだけにったいどういう人物でどんな作品を書いているんだろうと調べますよね。
昨年のドラマ「わたしを離さないで」でカズオ・イシグロ氏のことをご存じだった方も多いのではないでしょうか?
わたしは残念ながら作者までは知らなかったんですが、ほかにも映画化された「日の名残り」なども有名ですね。
日本語訳の書籍も多いと思うのでこの機会に一度読まれてみてはいかがでしょうか。
日本にもぜひ来日してほしいですね。
きょうも最後まで読んでいただいてありがとうございます。